約 438,126 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/293.html
143 名前:アニメディア販促妄想【SS】[sage] 投稿日:2011/02/09(水) 22 39 59 ID VTr7hbev0 [12/13] あたしの少し後ろを兄貴が歩く。 数日後に大イベントを控え、あたしは居ても立ってもいられない気持ちになっていた。 あたしなりにだいぶ練習して、かなり綺麗に作れるようになってきた。 そういえば試作品は全部お父さんにあげたけど、完食してくれてたし、味もきっと大丈夫なはず! ただ、それを渡したとき、兄貴がどんな反応をするのか……。 間近に迫ったそのときを想像するだけで、あたしは期待と焦燥でいっぱいになる。 わかってる。本当は不安ばかり大きい。あたしらしくない。高坂桐乃らしくない。 だから、その前に、確認しておきたかった。 取り返しのつかない失態を犯さないために。あたしたちの関係を壊してしまわないために。 「早く来なさいよ! なんでそんなにノロマなワケ?」 「お前こそ、やたらテンション高すぎなんじゃねーか?」 「ううっさい! せっかく買い物つきあってやってるんだから文句いわな――ひゃっ!?」 「おいっ!?」 世界が倒れる。あれ、あたし転ぶの? 格好悪いなあたし。浮き足立ってるって自分でも分かってた。だって兄貴はずっと、なんだかハラハラしてるみたいな表情だったし、 あたしと居ること楽しんでないなんて、ありえないけど、もしそうならって思ったら……。 色んなことを諦めかけた、スローモーションな世界の中、兄貴だけが吃驚するくらいのスピードで、あたしに駆け寄ってきた。 ばふっ。 兄貴の腕が、あたしと地面との衝突を防ぐ。抱きかかえられるようにして、あたしは兄貴の胸に顔をうずめる格好になる。 「……あっぶねぇな! お前の運動神経で転ぶなんて、そんな高いヒール履いてるからだろ!」 うっさい。これくらい履かないと、身長だけは平均値あるあんたと並べないでしょうが。 あたしは目一杯文句を言ってやろうと思ったけれど、鼻腔にいっぱい入り込んでくる兄貴の胸の匂いに、頭がぼうっとなってしまう。 「……おい? まさか、どっか痛めたのか? ……ちょっと待ってろ」 「なっ! おもむろにコート脱いで何す……って何でフードさらあたしにかけるのよ――きゃあっ!?」 「よっ……と」 あたしはあっという間に、兄貴のコートをかけられ、兄貴におんぶされていた。 何が起こったのかちゃんと理解しようとしても、コートのフードに包まれて感じる匂いと、兄貴の背中の温かさに頭が働かない。 信じられないくらい近くにある兄貴の耳と首筋はいつもより赤くて、あたしの顔はきっともっと赤くて、息をするたびもっといっぱいになってしまって。 「……めちゃくちゃ、恥ずかしいんだけど」 「だからって降ろすわけにはいかねぇよ。家に着くまでそのコートで我慢してくれ」 「……ばかじゃん。普通ここまでする?」 「うっせ。黙って背負われてろ」 わかった。ううん、きっと最初からわかってた。 兄貴の気持ちを確認したかったんじゃない。あたしは自分の気持ちに向き合いたかったんだ。 怖くても、不安でも、あたしがどうしてもしたいことなんだ。 もう迷わない。2月14日、あたしたち兄妹の関係はどうやったって変化してしまうと思う。でも、もう抑えられない。 あたしの気持ちの全部を込めて作ろう。兄貴が昇天しちゃうくらいのすごいのを作れるって自信がみなぎっていく。 そうだ、撮影で気に入って貰ってきた、とっておきの赤い水着も着てみよう。 家で着て見せるなんて頭がフットーしそうだけど、兄貴のことだから動揺して、渡すためのカモフラージュになるかも知んないし! 今日のお礼、ちゃんとするから。 「楽しみにしててね……兄貴」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1193.html
967 名前:読モどっきりマル秘報告【SS】[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 02 35 41.82 ID 0CIXXhSiO [2/3] 「……みなさん、おはよーございます。9巻で久々に登場したランちんですよ。忘れられてませんよね? 今日はですね、『人気読モの朝の素顔に迫る!』というワケで、 モデル仲間の桐乃んこと、高坂桐乃さんの家にお邪魔していまーす♪」 「以前桐乃の家に遊びに行った時も思わぬニヤニヤハプニングがあったんですが、 さて、今回はどんな出来事が待っているのでしょうか! 楽しみです!!」 ガチャっ 「桐乃の部屋のドアが無事に開きました。目の前に見えるのは、ベッドに眠ってる桐乃とその隣で眠ってる……… へ、変態がいましたぁぁぁぁぁぁ!!!」 「あ、そうか、これは桐乃のお兄さんか。なーんだ♪ ……いやいやいやいや、なんで桐乃と一緒に寝てるんだこの人! やっぱり桐乃のお兄さんは変態なんだろうか?」 「それにしても桐乃と変た……いや、お兄さんは幸せそうな寝顔をしてるなー。なんかパッと見た感じアツアツのカップルって感じです♪ 」 「ここで突然ですが『ランちんチェーック!』 人気読モの桐乃んが、どんな格好で寝ているか、みなさん気になりますよね! うんうん、では期待にお答えして、毛布に隠れてる桐乃んの寝間着を、ご開帳ーー」 ぱらりん 「うぉっ、これは……な、なんと桐乃んは上下黒の下着を身につけてますよ。 実にセクシィな下着。これはもしかして勝負下着って感じカナ? 一方でお兄さんはごくごく普通のトランクス……って、パンツ一丁かい!! しかもなんか盛り上がってますよ」 「…これはヤバイってもんじゃないかもしれません。思うに、どう見ても事後のバカップルです。本当にありがとうございました…… しかし凄いもんみちゃったなあ、これはいろいろとネタに使えるかも、ウヒヒ……」 「ラン、おしゃべりはそのくらいにしとこうか?」 「そ、その声は? あ、あやせぇ!!! ……解説しよう。突如ベッドの下から声をかけて来た主は、新垣あやせ やはりモデルをやっている同級生の親友……って、あやせ、なんでこんなとこにいるワケ??」 「話すと長くなるから。それはそうと、桐乃とお兄さんは、ランの想像してるような事はしてないから安心して」 「へえー、わたしがどんなこと想像したのか、あやせの口から説明してくれるかなあ?」 「ら ん ち ん ○ に た い の ? 」 「……先程の発言はなかったことにして貰えるかな」 「ランがそこまで言うのなら♪」 「やれやれ、なんか力が抜けたから帰るね」 「わかった、じゃあね、ラン」 「……って、またベッドの下に潜るんかい、あやせ」 ※※※ 「まあ思わぬハプニングがあったけど、桐乃んのセクシー下着姿を拝めたのは収穫かな」 「よう、ラン。オメーよく無事にあの部屋から出てこれたなぁ」 「……加奈子、なんでここにいるの???しかも、その格好は……… 解説しよう、高坂家の庭に首から下埋まった状態でいるのは、私や桐乃、あやせの親友の来栖加奈子だ。」 「話すとなげーけどョ、まあいろいろとあるワケ」 「うん、なんとなく分かるような気がしてきた…」 「じゃーな、ランちん。気をつけて帰れよ」 「それじゃ加奈子、お先に失礼するね……」 「うへぇ」 ……えっと……とりあえず、高坂家周辺には得体のしれない何かが蠢いてるということで報告終わります。 最後にふさたん、早くわたしのキャラクターファイル作ってね。カッコいい本名期待してるから♪ では、みなさんまたあう日までごきげんよう!!」 969 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/08(土) 02 59 11.68 ID 0CIXXhSiO [3/3] 967のおまけ 「ふわあ……よく寝た。おい、桐乃起きろよ」 「うーん、まだいいじゃん。寝かせてよぉ」 「起こせっていったのは桐乃だろ。たがら起きろ」 「うーん、あと5分だけ、お願い」 「わかった。じゃあキスしてくれるかおっぱい揉ませてくれたら寝かせてやってもいいぞ」 「あ…アンタ何バカなこと言ってんの???」 「(お兄さん、三途の川の渡し賃を用意したほうが良さそうですね)」 「(うへぇ、朝からセクハラ全開かよ)」 「で、どうするんだ、桐乃??」 「……りょ、両方で……」 「( き り の … … )」 「(こいつはメガトン級の超うへぇだべ?)」 「いいんだな。それじゃあ……」 「うん。来て、京介…」 「いいわけないでしょうが、この変態!!!」 ※※※ 桐乃が天女さまだとしたら、あやせさまは阿修羅さえ凌駕する存在だったぜ!! ……桐乃で天国、あやせで地獄…… 二度天に召されるところだったとだけ言っておこう!!! -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1851.html
あたし、高坂桐乃。職業――兄の奴隷。 行きつけのお店で購入した洋服一式をどさりと置いて、あたしはひと心地ついた。 「これでよしっと」 紙袋から白いワンピースを取り出し、鏡の前で合わせてみる。 うん…………たぶん大丈夫。自分で言うのもなんだけど、似合ってるはず。 あたしはそのままベッドに倒れこんだ。 「………………はぁ」 色々な想いが綯い交ぜになり、変な気分になってくる。 今日のお昼のこと。 『――明日一日、俺のことをお兄ちゃんって呼ぶ、とか』 『……………………』 『な、なんつってぇ』 『……分かった。それでいい』 『えっ…………マジで?』 ――というようなことがあった。 京介とのつまらない賭けに負けたあたしは、明日一日『お兄ちゃんプレイ』を強要されることになったのだ。 それであたしは明日に控えるイベントのため、『お兄ちゃん』呼びに相応しい服装を入手しなければいけなかったってワケ。 あのシスコンキモすぎ。マジキモイ。ちょうキモイ。ほんっとサイッアク。妹にお兄ちゃんって呼ばせるとか、どんだけヘンタイなんだっつーの! 付き合ってたときもハブラシとかカップなんてエロアイテムでセクハラしてきたし、あのシスコンマジヘンタイ! ヤバくない? アイツ超ヤバくない? マジで超キモいってゆーか、シスコン極めすぎってゆーかっ! ばっかじゃないの? エロゲーと現実を一緒にすんなっての! 呼び方変更とか妹モノのエロゲーやりすぎじゃん? ときメモじゃん? あたし攻略されちゃうの? 最初からときめき度MAXなのにゲームとして成り立つの? ………………やばい。明日のこと考えるだけで、すっごいドキドキする。 うー……最悪、最悪…………マジ最悪っ! ちゃんと責任とれっつーの! …………ばか。 なんて、言わないけど。言えるわけないケド。 でも、もし言ったら…………あいつどんな責任の取り方するのかな? …………………………。 ………………うぁ。 ヤバイヤバイ! ヤバイって! それはマジヤバイからっ! でも……いいの京介? あたしたち兄妹なんだよ……? なーんつって――――ッッ! くっ…………駄目だ…………このままだと悶え死んでしまう。妄想死なんてシャレにならない。 そうだ! こんな時はエロゲーをしよう! あたしはティッシュで鼻血を拭いて、宝物が詰まったふすまを開ける。 何にしよっかな…………あっ。 明日は京介のために『妹めいかぁ VOL・1』のヒロイン、『きりの』ちゃんの格好をするんだから、ちょっと復習しておくのもありだよね…………よし。 ということで―― あたしは、それからしばらく思い出のエロゲーを満喫するのだった。 『いっしょに学校行こう! おにいちゃんっ!』 「うん行くー! きりのちゃんと一緒に学校行くーっ! うへへー……じゅるっ」 あたしはよだれを拭いながら、ふとクリックする手を止めた。 そうだ…………このゲームを参考にシミュレーションすればいいんじゃん。 あたしはベッドに移動して、ゆっくりと思考を重ねる。 明日は、京介のことお兄ちゃんって呼ばなきゃいけないわけで。 限りなくエロゲっぽいシチュを再現できるように、服装もきりのちゃんとお揃いにしたわけで。 無理矢理にでもデートに連れて行ってもらうことまでは想定済みなわけで。 …………じゃあ、その後どうなるの? ……………………。 えっ…………ちょっと待って! てことは、なにっ!? ベッドでの告白シーンも再現しちゃうってことじゃないの!? てかっ、『最後はデレデレになるってホント?』ってなによ!? とっくの昔にデレてるっつーの! 読モなめんなっ! ………………冷静になろう。深呼吸して――すぅはぁ……よし、あたしは落ち着いた。たまにあるんだよね、こういう状態異常。女の子なら分かるはず。 で、なんだっけ? そうそう、ベッドシーンね―― 『お兄ちゃん……大好き……』 『桐乃……俺もおまえのこと――』 むっはーっ! やっっっば――――――い! これはダメだって! だ…………だだだ、だってこの後って! 一糸まとわぬきりのちゃんが……お、お兄ちゃんと! ……うああああ。 「ふぉぉぉぉ――――!!」 「桐乃てめえ、ガンガンうっせーよ! エロいゲームやって興奮してんのか!?」 はてさて明日はいったいどうなることやら。 おしまい。
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/475.html
練習用ページ プラグイン説明も有り 自由に改変して練習してみてください #contents()によるページ内階層リンク リンク実験 ランダムリンク実験 test1自動ナンバリング アクセス回数リスト test2折りたたみ 階層リンク test3twitter 最新版変更点 test4アスキーアート(簡略化) ここまでの投稿数 投票サンプル リンク実験 link_pdfプラグインはご利用いただけなくなりました。 ランダムリンク実験 SSランダム01-20 ページ名にカンマ(,)が入っていると表示出来ない罠(プラグインの仕様)がありますが、昔のSSをランダムで表示してくれます 気分を変えて色々読みたい人&途中参加組にお勧めかも? *,**によるページ内リスト、階層化可能 *test1 test1 *一つで大見出し?二つで小見出し? **自動ナンバリング 自動ナンバリング +による自動ナンバリング 兄パンを見つける 兄パンをくわえる 兄パンを食べる +の後に文字列を入力。リスト作成に有用。 途中に挿入すると数字もずれてくれるので1,2,3といった数字を使ったリストに比べ可変性に富む。 アクセス回数リスト #popular() 昨日40件カウント有り 白髪?:124スレ目940/小ネタ (4) SS一覧141-150 (2) きりんときりりん:27スレ目247/小ネタ (2) パイナップルの効能:67スレ目918 (1) 台風(ホラー風味):78スレ目764 (1) ブラコンなんかじゃない:22スレ目254-256,432 (1) お兄ぃのパンツ:25スレ目460 (1) 義妹√と入れ替わり:119スレ目908/小ネタ (1) あたしの京介が兄貴のおにいちゃん:23スレ目584,614/小ネタ (1) 兄パンアルバム:23スレ目416/小ネタ (1) 二人のバレンタイン:28スレ目654 (1) yesterday,today,total 日付指定タグ ignore 無視ページ。一々全部指定してやらないといけないので面倒ですが・・・ count カウンター付。タグ無しで順位のみ test2 折りたたみ #region,#endregion +隠しています 『七つの子おばかなこ』 加奈子 なぜ鳴くの 加奈子は庭に おあつい二人の 巣があるからよ うへぇうへぇと 加奈子は鳴くの うへぇうへぇと 鳴くんだよ 千葉のお山へ 行って見て御覧 ぷにぷにお腹の いい子だよ 階層リンク topicpath() ページの階層化がなされていない? ここではあまり意味がないかも。 test3 twitter twitter API 1.0の終了に伴い、twitterに登録しないと表示が出来なくなりました。(6/11より) 登録とか面倒なので放置します。(リンクとしては使えるので) #twitter_widget_profile2() @kirino_kousaka からのツイート error ウィジェット idの形式に誤りがあります。 width=620指定 error ウィジェット idの形式に誤りがあります。 最新版変更点 link_diff() test4 アスキーアート(簡略化) #aa() #asciiart()が面倒な人に | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | 婚姻届 | /  ̄ ̄ ̄ ̄ /____ / 高坂京介 高坂桐乃 /ヽ__//. / / / /. / / / / / ___ ./ / / / / ./ / / / / /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / / ここまでの投稿数 単発画像 **1-*2034 *21-*3043 *31-*5033 *51-*7035 *71-10041 100-11559 116-13048 130-15048 150-16553 ストーリー漫画 **1-*3035 *31-*5042 *51-11034 111-13022 131-16512 SS・小ネタ **1-*2090 *21-*30247 *31-*40272 *41-*50127 *51-*60142 *61-*70110 *71-*8098 *81-*90123 *91-100104 101-11097 111-12092 121-13093 131-14024 141-15036 151-16077 161-16521 投票サンプル #vote2(time=3600[0],count=20[0],妹[10000],ツンデレ[1000],format=votenum[0]) 選択肢 投票数 投票 妹 10004 ツンデレ 1001 timeで連投不可時間指定(秒)、countで過去X人の投票まで連投不可但し最大20 format=votenum[0]で結果の別カラム表示指定無しで同カラム:名称の隣()内に表示される
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/391.html
778 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 14 20 24.11 ID /36sj9iD0 [3/3] ※オリキャラ有り 今日は小学校の同窓会。 高校でも一緒のやつらもいるが、大部分のやつらとは、久しぶりの再会だ。 ………そう、期待して、楽しみにしてたんだ……………………… 「キモっ………」 「な、なにをいきなり言いやがる!?」 同窓会に行く前、リビングで準備をして居た俺に、いきなり桐乃が棘のある言葉を投げつける。 つか、おまえなんでキレてんの? 「あんた、顔がにやけすぎ。マジキモイ。」 「しょ、しょうがねーだろ?久しぶりに小学校の同級生と会うんだしよ?」 「で?小学校の同級生の女に会えるからってデレデレしすぎ。」 「デレデレなんてしてねーよ!?」 そもそも、俺が小学生のときは―――って………まあ、いいか。準備準備。 「とりあえず、トイレ行ってくるわ」 俺は、携帯と財布をテーブルに置き、トイレに向かう。 トイレから戻ってきた時にも、桐乃は何故かリビングに居た。 「ケータイと、財布。忘れんな。」 「お、おう?」 俺がトイレに行く前と違って、何故か上機嫌そうに、携帯と財布を渡してくる桐乃。 俺はその姿に既視感を感じたんだが、時間も迫ってきてたし、あまり気に留めなかった。 思えば、コレが失敗だったんだ……… 同窓会では、小学校の頃から成長した、皆の姿を見る事ができた。 俺と同じように、受験生やってるやつが大半だったが、中にはもう就職してるやつも居たし、 結婚して、子供までできてるやつまで居た。なんかうらやましいよな? 先生も当時と比べるとだいぶ年とっちまって、それでもまだ、教壇に立っておられるようだ。 そんなこんなで、お互いの近況を話しているときだった。 「そういえばよー、高坂?きり姫は元気かー?」 「ブッ………な、なんだって?」 「だからよー?きり姫だって。お前妹の事、きり姫きり姫っていつも楽しそうに話してただろ?」 「えー、なにーそれー?聞きたい聞きたいー」 「ま、まて、みんな落ち着け。」 な、なんでこんなとこまで、あいつの話になっちまうんだよ!? 「いやさ、高坂さー、妹とむっちゃくちゃ仲良しでさ? 同じクラスになるとさ、休み時間の間中妹の自慢話ばっかりされてさぁ!」 「うっそー!?高坂くん、シスコン!?」 「い、いや!?ち、ちげーぞ?お、おれがあいつの事好きなわけが!?」 「え?マジ!?好きなの!?」 な!?こいつらどういう誤解をしてやがんだチクショー 「そうそう、毎日毎日、よく話すネタがつきねーもんだなーって、すっげー感心したもんな!」 「でも、高坂クンの妹さん、本当に自慢できるくらい凄いみたいよ?」 「んー?何か知ってんの?」 「ほら、この雑誌。」 そういうと、いきなり皆の前に雑誌を差し出してくる。これは………ファッション雑誌か? まて、それは桐乃がモデルやってる雑誌じゃねーか!? 「このページの………ほら!この子、高坂桐乃さんって!」 「すっげー!マジかわいいじゃん!」 「モデルかよ!すげェな!」 口々に、桐乃を褒め称える俺の同級生達。まあ、たしかに可愛いんだが……… お前らに桐乃はやらんからな? 「そういえばこの子、どっかで………あ、そうだ!」 「何?どっかでみたことあんの?」 「い、言っちゃっていいのかなぁ………」 な、なんだ?その奥歯にモノの挟まったようなもの言いは? あいつ、何やってんだ?仕方ねえ、俺に心配させんじゃねーよな。 「言ってかまわねーぜ?むしろ言ってくれ。」 「う、うん。………えとね、去年の冬なんだけどぉ」 去年の冬?あいつがインフルエンザにかかった頃か? まさかあいつ、俺の目の届かないトコで、出かけてやがったのか!? 「なんかね、渋谷で男の人と歩いてる、その子を見かけたんだけどぉ」 「うんうん。」 なんだと!あいつが病気なのをいいことに、連れ出しやがったヤツがいるのか!? それに、こいつら、人の妹の事だと思って興味深そうに聞いてんじゃねーよ! 「なんか、女の子はずぶ濡れでぇ、二人でラブホに入って行こうとしてたの。」 「えぇー!?中学生でしょー?進んでるぅー!」 「ずぶ濡れ?なんかあやしーかんけー」 むかつく。マジむかつく。俺の妹がそんなことするわけねーだろ? どうせ、見間違いかなんかだろ? 「それでね?なんか男の方が見た事あるかなーって思って、前に回りこんでみたの!」 「えー!あぶないじゃん!」 「おめー、意外と大胆だなー!」 知ってる男?誰だよそいつ、事と次第によっちゃ、殺すしかねーよな。 「そ、それでっ………その………高坂君だったんだよねー………」 「………………………………」 「は?」 な、なに?俺が、桐乃と?去年の冬?ラブホ? ………………………………って、あぁぁぁぁぁーーーー!? 「ちょ、ちょっと待て、ご、誤解だっ!」 「わたしさぁ、マジびっくりしたし。あの高坂君が、クリスマスデートでラブホなんてさ。 その相手が妹さんだったなんて、ほんっと、びっくりだよぉ」 「俺もビックリだぜ?おめー、妹以外全然見えてねーって。ああ、それで妹とラブホかぁ」 「ホンモノ?本当に妹さんと愛し合ってんだぁ!」 「ち、違―――」 もう、やだ、助けて。 と、その時――― 「おにいちゃん」 「桐乃!?」 いきなり、桐乃の声が俺の後ろからしてくる、振り向いても誰もいねーし……… って、俺の尻で震えてんのは………携帯の着信音!? 「おにいちゃん。桐乃はね?」 な、なんつー気色わりー声だしてんだよっ!? 「きょーすけおにいちゃんのこと、だいすきっ♪」 俺はその場で号泣したよ。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/265.html
714 名前:第一巻4章親父視点(過去捏造)【SS】1/2[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 00 34 00 ID ClqS6AELP [1/11] これは懐かしい思い出だ。 いつまでたっても薄れることはない、かけがえのない思い出。 それは大事な娘の、桐乃の生まれた日の記憶。 「おとうさん、おかあさんだいじょうぶかな?」 「大丈夫だ。母さんは強いからな」 不安そうにこちらを見る息子、京介の頭をなでて病院の中を静かに歩いていく。 そうしているうちに一つの病室の前まで来た。 『高坂佳乃』、妻がいる病室だ。ここに、また一つ俺の宝が増えた証がある。 「俺だ。入るぞ」 「どうぞ」 返ってくる声にホッと安心したのがわかった。どうやら俺も思った以上に不安だったらしい。 ドアを開けて京介を連れ立って病室に入った。 真っ白な病室。簡素なベッドに佳乃が寝ているのがわかった。 佳乃はこちらを見ると体を起こして微笑み、京介は我先にとベッドに駆け寄っていった。 「おかあさん、だいじょうぶ?」 「ええ、大丈夫よ。この通りピンピンしてるわよ」 腕をまくり、力こぶしを作るように腕を曲げる佳乃の姿にクスリと笑いが漏れる。 そしてその横に、今日生まれたばかりの、かけがえのない家族の姿が見えた。 「この子が…」 「ええ」 横たわる小さな体。 高坂桐乃。大事な大事な、将来自慢の娘になる桐乃との初めての邂逅だった。 「……がんばったな」 「あら、あたりまでしょう?なんたってあなたの奥さんなんだから」 「フッ、違いない」 普段あまり相手を褒めることがない俺の精一杯の言葉に佳乃は当然だと言い切った。 その頼りがいのある返事に胸が熱くなる。俺はいい奥さんを貰ったものだと。 ふと隣を見れば、京介が不思議そうに桐乃の覗き込んでいるのがわかる。 その姿を佳乃は顔に微笑を浮かべて見守っていた。 「おかあさん、これあかちゃん?」 「こーら、これなんて言うんじゃないの。この子はね、これから京介の妹になるんだから」 「いもーと?」 「そうだ」 理解が出来ていないであろう京介の頭に手を乗せつつ言葉を紡ぐ 「これからは、お前はお兄ちゃんになるんだぞ」 「おにいちゃん?ぼくが?」 「ああ。お前は桐乃のお兄ちゃんにになるんだ。そして、お兄ちゃんは妹を守ってあげるものなんだ」 「まもる?」 「うむ。もし桐乃が、妹が泣いていたらお前が守ってあげるんだ。お前はお兄ちゃんだからな」 「おにいちゃん…いもーと……まもる…うん!わかったよおとうさん!きりのはぼくがまもるんだね!」」 きっと京介はほとんど意味を理解していないのだろう。それでも、その瞳にうつる純粋な輝きは眩しかった。 これならきっと、京介はいい兄になるだろう。そう思ったのだ。 716 名前:第一巻4章親父視点(過去捏造)【SS】2/2[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 00 35 13 ID ClqS6AELP [2/11] ひどく昔のことを思い出した。 それはおそらくさっきの京介の目を見たからだろう 『―――かわいそうじゃねえか。な?頼むよ……!』 あの時の目。それはあの頃の、まだ京介と桐乃の仲がよかった頃に見せていたあの目のようだった。 いつからか不仲になっていた兄妹。 なんとなく、心当たりがないわけではなかった。 『田村さんちの子供になる』。 京介がふてくされたときに時折言うようになった台詞。 あいつはあの台詞を、初めて言ったときのことを覚えているのだろうか。 おそらくもう覚えてはいないのだろう。それは京介の態度を見ていればかわる。 小さい息子が、ある事実を知ったときに初めて言ったあの台詞を、俺は忘れることができない。 『おとうさん、ぼくはきりのとけっこんできないの?ずっといっしょにいられないの? きりのときょうだいじゃなければいいの?だったらぼく、まなちゃんのいえのこどもになる!』 ひどく悲しげに、瞳に涙を溜めていた。 それほどまでに妹を大事に思っていたはずの京介は今は見る影もなかった。 平凡に身をゆだね、濁った瞳はどうしようもなく手遅れなのだと後悔した。 だが、さっき見せたあの瞳は、昔の京介にダブってみえた。 もしかしたら。そんな考えが頭をよぎる。 だからこそ、猶予を与えた。 あいつがどのような答えを出すのかは、なんとなくわかっている。 ならば、俺は親としての務めを果たすだけだ。 『妹を守る』 今のあいつならば、きっとあのときの言葉を守ってくれると思える。 だがそう簡単に折れると思うなよ。陳腐な言葉や態度ならば納得してやるつもりはない。 それ相応の、覚悟を見せてみろ京介。 今のお前にとって桐乃が、妹がどういう存在であるか俺に示して見せろ。 それが出来れば俺は……もう一度、お前と向かい合うことが出来ると思っているのだから。 ガチャリ ……フッ、覚悟はきめてきたようだな。 「京介、挨拶はどうした」 「た、ただいま」 さあ、お前はどんな話を聞かせてくれる? -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/544.html
呼称表 11巻までの呼び方 不備も多いはずなので、間違い、PSP版の呼び方等、適宜修正等お願いします。 ふさたんの表記ブレも一部キャラでみられるぽいです。 キャラ名 一人称 二人称 桐乃 京介 麻奈実 あやせ 加奈子 沙織 黒猫 浩平 瀬菜 桐乃 あたし x あんた兄貴京介お兄ちゃん まなちゃん麻奈実さんあんた あやせ 加奈子 あんた沙織 あんた黒猫 ――― せなちー 京介 俺 桐乃おまえ x おまえ あやせおまえ おまえ おまえ 黒猫おまえ 赤城おまえ おまえ 麻奈実 わたし 桐乃ちゃん きょうちゃん x あやせちゃん 加奈子ちゃん ――― 黒猫さん 赤城くん ――― あやせ わたし 桐乃 お兄さん お姉さん x 加奈子 ――― 黒猫さん ――― ――― 加奈子 加奈子あたし 桐乃 マネージャーおまえ 師匠 あやせ x ――― ――― ――― ――― 沙織 拙者わたし きりりん氏きりりんさん 京介氏京介さん ――― ――― ――― x 黒猫氏黒猫さん ――― 赤城氏 黒猫 私 あなた あなた兄さん ? ――― ――― あなた x ――― あなた瀬菜 浩平 俺 ――― 高坂おまえ 田村さん ――― ――― ――― ――― x 瀬菜ちゃん 瀬菜 あたし 桐乃ちゃん 高坂せんぱい ――― ――― ――― ? 五更さん お兄ちゃん x template ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ―――――:原作において接触機会のなかった組み合わせ ?:原作において接触機会はあったが、二人称で呼ぶ機会の無かった組み合わせ キャラ名 三人称 桐乃 京介 麻奈実 あやせ 加奈子 沙織 黒猫 浩平 瀬菜 桐乃 x 兄貴あいつこいつ京介 地味子あの女あの人 あやせ 加奈子 沙織 黒いの厨二病 せなちーのお兄さん 京介 桐乃妹あいつこいつ x 麻奈実 あやせあやせたん あいつ 沙織 黒猫 赤城 瀬菜 麻奈実 桐乃ちゃん きょうちゃん x あやせちゃん ――――― ――――― 黒猫さん 赤城くん ――――― あやせ 桐乃 お兄さん お姉さん x 加奈子あの娘 ――――― 泥棒猫黒猫さんマゾ奴隷 ――――― ――――― 加奈子 桐乃 あいつ ――――― あやせ x ――――― ――――― 野良猫 ――――― 沙織 きりりん氏 京介氏兄上 ――――― ――――― ――――― x 黒猫氏 ――――― ? 黒猫 あの女ビッチ あなたのお兄さん先輩 ベルフェゴール田村先輩 あやせ闇天使 ――――― x ――――― ? 浩平 ――――― ? 田村さん あやせちゃん ――――― ――――― ――――― x 瀬菜ちゃん妹天使 瀬菜 ? 高坂せんぱい ――――― ――――― ――――― ? 五更さん お兄ちゃんバカ兄 x template ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ――――― ―――――:原作において、三人称で呼ぶ機会の無い組み合わせ 桐乃スレ用語 兄パン(兄ぱん、凹) 京介のパンツを指す。 くんかたんの大好物という設定である。 あやせたん 破壊と殺戮の天使。スレ内では桐乃愛のレズ設定。 桐乃と京介の間に、いかがわしい関係が成立する事を望んでいるスレ住人を、日々埋め続けている。 武器は包丁、ナイフ等の刃物の他、スコップ、狙撃銃、火炎放射器など多岐にわたる。 最近はパラシュート降下も行うなど、特殊部隊も真っ青の身体能力である。 スレ民の妄想が手に負えなくなると戦略級の兵器も使用する。 なお、桐乃自身に歯止めをかける事は苦手のようで、加奈子に八つ当たりして埋めている姿もよく見られる。 うへぇ 本来は4巻における加奈子の溜息で、表記は「うへあー」 アニメ1期10話において、ゆかり姫の演技により「うへぇ」と聞こえるようになってしまった。 スレ内での設定は、桐乃と京介のアツアツぶりに辟易した加奈子の鳴き声。 鳴き声の多さにより、どれくらいアツアツなのかが分かるという設定まで付け加えられた。 かなかなちゃん 桐乃スレにおいて、桐乃、京介に次ぎ、あやせと人気を二分するキャラクター。 スレ内では、あやせに八つ当たり気味に埋められるという役割が定着しており、 その役割ゆえ、新スレ建造後の埋め立て時に、旧スレと一緒に埋められることが多い。 くんかたん 元ネタは4巻における、黒猫の著作。 「キリノ」がお兄ちゃんのパンツをくんくんしている様と、それを見た桐乃が過剰に動揺していた事から、 「桐乃」もまた、京介のパンツをくんかくんかしているのではないかと考える人が現れた。 また、桐乃スレ草創期、「変態の人」のSSにおける桐乃の変態ぶりがスレ住人に大きな衝撃を与え、以後のくんかたん像に大きな影響を残すことになる。 SSにおいては、全年齢という板の特性上18禁SSを書けないため、パンツくんかをある種の隠喩として描いてるものも見られる。 なお、あまりにもネタにしすぎたためか、「PSP続」においてくんか疑惑をさらに強めるシーンが作られた。(原作者の書いたシナリオ内) 12巻で京介のパンツが実際に減っていると判明し、もはや公然の秘密となる。 K.K 自演に利用される。4人ぐらい連続するのがデフォ。犯人は以下の誰か。 高坂京介 高坂桐乃 来栖加奈子 来栖彼方 櫻井(櫻井秋美) 遅れてやってきた第三の刺客 数々の強敵(とも)を打ち破ってきた桐乃の前にあらわれた、最後にして永遠のライバル(羞恥心的な意味で) きっと今後も桐乃に恥ずかしい思いをさせ続けるのだろうと思うと・・・あれ?涙が・・・ じゅーでん 簡単なお仕事の一つ K.K「言わせんなよ恥ずかしい」 「ところがどっこい、夢じゃありません、現実です」 アニメ2期・BD/DVD第8巻の特典映像で櫻井が発した台詞 元ネタは漫画「賭博破戒録カイジ」12巻における、主人公のライバルキャラの台詞。 主人公が必死の努力の果てに倒せなかった現実の壁。その現実を突きつける、作品中でも屈指の名台詞。 主人公は、その現実の壁をさらに利用して、起死回生の逆転劇につなげていく。 特典では、明らかにネタキャラ化した櫻井のギャグシーンですが・・・ でも、もしかすると・・・桐乃と京介、それに読者に向けた、ふさたんのメッセージかもしれませんね。 普通の兄妹 秋葉の路上でキスするような某兄妹のこと 普通の兄「兄妹なんだから別にいいだろ?」(路上キスについて) 普通の妹「はい」(兄に「結婚してくれ」と言われて) ランちん 原作2話で名前のみ登場後長らく登場しなかった(多分、作者に忘れられていた)キャラクターで桐乃の表友達。 スレ内では影の薄い子としてのネタ要員。 漫画版のいけださくら氏に気に入られていたようで、桐乃スレではその絵を公式絵として、二次創作が行われていた。 あまりにスレ内でネタにしすぎたためか、ついに9巻において出番を獲得。 11巻でも僅かとはいえ、出番を獲得している。 涼優 義妹ルートでの登場時は14歳と中1。年子かは不明。 金髪のファザコンと黒髪ツインテールのアホの子として扱われる。 スレ住民の間では何故か実妹ルートでも生まれる前提になっている。 あの世界にはパラレルでも変わらない運命があるので仕方ないね。 10年後の優乃妊娠疑惑が義妹ルートでの年齢と一致し、拍車がかかる。
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1546.html
878 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/11(土) 14 54 00.34 ID HE3/g4+bP 「えへへ。あんたってやっぱ、いい匂いするよね~」 「そ、そっすか」 現在、俺こと高坂京介は妹、高坂桐乃により強烈(主に感触的に)なハグを受けている。 一体どういうことだコレは。誰か助けてくれ。 『正しい? カンちゅーハイの飲み方』 俺は高校を卒業し、大学に進学した時一人暮らしをすることを決めた。 一人暮らしの大変さは受験勉強の折に一時的に(半強制的ではあるものの)一人暮らしをすることで わかっていた。が、それでも俺は実家を出て一人暮らしをすることにした。 そこにはもちろん、自己責任とはいえ自由な生活への憧れや実家から出ることでの開放感を求めて いた部分もある。けれどそれだけということでもなく・・・・・・ 『ねえ京介』 『ん?』 『あんたさ、大学進学したら家出るの?』 『あ~、そうだな・・・・・・それも悪くないかもな。でも――』 『そっか。じゃあ仕方ないからあたしが面倒見てあげる』 『は? いや、俺は別に』 『まあ? あんただけじゃどうせろくでもない生活するのは目に見えてるし? 腐海の中で倒れるあんた とか冗談じゃないし。そんなことされちゃ妹としてあたしの面目も立たないじゃん?』 『お前は俺を何だと思ってるの!?』 『それに・・・・・・』 『それに?』 『あ、あんたの家に行けば、その、誰にも邪魔されずにふ、二人きりでいられるし・・・』 『――――――』 などという会話が交わされたというのが俺を決断させたなどとは口が裂けても言えん。 そんなことがあり、まるで通い妻のごとく俺の家へと入り浸る桐乃という日常が出来上がった。 なお、そのことに対して親父から恨みがましいメールが時折送られてくるのだがスルーしている。 そんな生活がしばらく続いた頃のある日の晩、どういうわけか冒頭のような状況が発生した。 どういうことなのかこの状況。桐乃に抱きつかれてるのは嬉しいことは嬉しいのだが、どうにも腑に落 ちない部分が多すぎる。一体何がどうしてこうなった。 確かにそういった雰囲気になるときはなるのだが、今日に限って言えばそんなことはなかったはずだ。 というかここのところはそういった雰囲気になることはほとんどなかった。 その手の欲求がなかったわけではないんだが、もとよりなかなか素直になれない俺達である。切欠と はなかなか掴めないものなのだ。それがたとえ兄妹から恋人へと関係が変わった今となってもそれは 変わらない。 「きょうすけ?」 「お、おう。なんだ?」 「ん~? 呼んでみただけ」 えへへとふやけたような顔で笑う桐乃。 何この超可愛い生き物。俺の妹がこんなに可愛くて俺死にそう。 「んっ、きょうすけ、ちょっと強いよ」 「! す、すまん」 思わず思い切り抱きしめてしまった俺を誰が責められようか。 しかし桐乃は一体どうしたというのか。と、自分を落ち着かせるために部屋を仰ぎ見た俺の視界に見 慣れないもの、しかし最近見たものが目に入った。 げっ、あれは――――っ! 「ちょっと、あたしを差し置いて何見てるわけ? こっち見てよ!」 「桐乃、もしかしてお前アレ飲んだ?」 いかにもあたし怒ってますと言いたげに頬を膨らませてる桐乃に顔だけで『ソレ』を差して聞く。 「え? あ、うん。ちょっと苦かったけど、わりと悪くない味だったよ?」 やっぱりかーーーーーーーーーー!!!! さっき目に入ったもの。それは机に置かれたチューハイの缶だった。 どうやらこっそり興味本位に買っていたそれを桐乃が飲んでしまったらしい。 そうか。ということは桐乃はアレを飲んで酔っ払っちまったってことか。それなら急な桐乃の今までの行 動も納得できる。さっきから顔が赤いのもそれが原因か。桐乃は思っていた以上に酒に弱かったらしい。 ・・・・・・ん?ちょっと待て。それはおかしいだろ。そもそもあれは―――― 「なに? もしかしてあんたも飲みたいの?」 俺の返事も聞かずにスッと俺に抱きつくのをやめる桐乃。離れていく温もりが名残惜しいと思ってし まった自分が恨めしい。 なんとなく立ち尽くすを放ったままチューハイを手に取る桐乃。そのまま俺に渡してくれるのかと思いき や、何を思ったのかコクコクと自分で飲みだし、空になったのかそれをぽいっと投げ捨てる。 カン と軽い音を立てて床に落ちる空き缶。 人に聞いておいて自分で飲むのかよ! と思ったその時、グイッと頭がひっぱられた。 ちゅ~ 次の瞬間に来るのは口を覆うように与えられる熱い感触。 目に映るのはドアップの桐乃の顔。 何をされているか理解をする暇もなく、今度は口を割って入ってくるぐにぐにした物体と冷たい液体。 口移し。そう理解するまでに数瞬の時間を要した俺は、あまりの出来事にふらふらと足元をおぼつか せてしまう。それでも桐乃が離れないのは、その両腕で俺の頭をガッチリとホールドしているからだ。 ぼふっと近くにあったベッドに倒れこむ。俺は下に、桐乃は上に。 苦い、けど、甘い。 桐乃の口から流れてくるものの味をそう感じながらコクコクのみ干していく。 そうしてどれだけの時間がたったのか。ぷはっ、と桐乃がようやく俺を解放する。 「ハイ おいしかった?」 赤い顔で、トロンとした表情をしながらそんなことをいう桐乃。 体勢をそのままに、俺の胸に頭を預けるようにして抱きついてくる。 「明日は休みじゃん。だからさ、今日はお父さん達に友達の家に泊まるって言ってきた」 おいおい、それじゃあまるで彼氏の家に泊まる口実をでっち上げる彼女のセリフ、ってまんまか。 てかまさかその友達ってあやせじゃねえだろうな。どっかから話が漏れたらシャレにならないぞ。主に俺 の命が。 「だから、さ。今日はずっと、ぎゅってしほしい、な」 そんな桐乃のお願いを俺が断れるわけもなく。 「あと、もっと・・・・・・じゅーでんして?」 今度は俺からと、桐乃を抱きしめて顔を近付けて――――。 翌日。 昨日遅くまで起きてたせいか、珍しくおきていない桐乃を寝かしたまま俺は床に転がる缶を手に取った。 その缶を眺めつつ、俺はぼやく。 「ノンアルコールチューハイなのに酔うことってあるんだな・・・」 ちなみにこの後、チューハイを買ってくると二人で飲むのが恒例となるのは別の話である。 -END- ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/368.html
掲載順 SS 一覧 31~40スレ 31スレ目 桐乃の自覚した瞬間改訂版:31スレ目19 せつない系:桐 願い事:31スレ目153 日常系:桐,京,佳,沙,黒 もし付き合いだしたら小ネタ:31スレ目231/小ネタ 甘々系:桐,京 携帯電話:31スレ目238 日常系:桐,京 リモコン:31スレ目267 微エロ系:桐,京,あ 生涯の伴侶:31スレ目296 甘々系:桐 まどろみの中で:31スレ目325 日常系:桐,京,オリ 夢の中でも:31スレ目333 せつない系:桐,京 来栖加奈子の憂鬱:31スレ目354 日常系:加,ブ 桃の節句:31スレ目372 ※子供時代 日常系:桐,京 桐乃留学中「あやせ視点」:31スレ目392-394 せつない系:京,あ,加 私の親友がこんなに変態なわけがない:31スレ目467 くんか系:桐,あ,加,ブ とある休日の二人 第一部:31スレ目480,494,496,677,856,907 甘々系:桐,京 父兄参観:31スレ目614,616 甘々系:桐,京,佳,大,あ,他 お兄ちゃんの妹参観日:31スレ目647 挿絵付き ※子供時代 甘々系:桐,京,佳,大,オリ 10代女性に「私より妹の方が好きなんですね!」と誤解される行動9パターン:31スレ目653/殺意の波動ネタ 周囲に「なにより兄が好きなんだね!」と誤解される行動9パターン:31スレ目657,660/小ネタ集 お兄ちゃんの妹参観日~AFTER STORY~:31スレ目665/小ネタ もう我慢できない!!:31スレ目684/直球ネタ それからのこと:31スレ目688 せつない系:桐,京 さくら心中:31スレ目690 日常系:桐,京 束の間の平穏:31スレ目693/小ネタ はじめてのらぶどーる:31スレ目705/変態京介おんりーネタ 変態系:京 トラップMk2:31スレ目778 日常系:桐,京,オリ 妹の授業参観に兄が出るわけがない(とある初夏の金曜日):31スレ目790 610+後編 挿絵付き(挿絵は32スレより) 日常系:桐,京,佳,大,あ 32スレ目 黒猫の逆襲:32スレ目155 ※いつもの口ゲンカ 日常系:桐,京,黒 もしも桐乃が○○に目覚めたら:32スレ目186,206 変態系:桐,京 ヽ(`Д´)ノ:32スレ目190/AAネタ アポトキシン0231531:32スレ目334,335,340,343,359,361,371,372/小ネタ集 重度エロゲ脳:32スレ目336 変態系:桐,京 シスコン自慢:32スレ目354,461/小ネタ 挿絵付き 高校見学会:32スレ目363 甘々系:桐,京,黒,あ,加,オリ if 桐乃の同級生京介 告白式:32スレ目379-380 甘々系:桐,京,あ,加,他 感じていたくて:32スレ目392-394 ※桐乃子供化 日常系:桐,京,佳 はじめての……:32スレ目423 変態系:桐,京 あたしがあいつであいつがあたしで:32スレ目443/小ネタ 同棲のきっかけは:32スレ目541,545,546,550,552,553/小ネタ集 一緒にお風呂:32スレ目556 甘々系:桐,京 一緒にお風呂:32スレ目561,569/シスコン有頂天ネタ集 いつかあったそんなある夜の出来事:32スレ目618-619 ※子供時代 日常系:桐,京,佳 ありのままの君が好き:32スレ目629 日常系:桐,京 愛のスーパーモード発動!!京介、怒涛の口撃編!!:32スレ目634 甘々系:桐,京 今日のこと:32スレ目691 ※東日本巨大地震のこと 日常系:桐,京 もしきりりんが表紙を見たら:32スレ目721/小ネタ 京介ヤバイ:32スレ目726/小ネタ KC(京介/きりりん告白機構):32スレ目901,904 CM改変ネタ まだぎこちないけれど:32スレ目931/小ネタ ※地震に係わるお話 側で支えて:32スレ目934 ※地震に係わるお話 日常系:桐,京,佳 今のあたしは大丈夫!:32スレ目947/小ネタ ※地震に係わるお話 停電になるかもしれない日:32スレ目965 ※地震に係わるお話 日常系:桐,京 33スレ目 ありえないし!:33スレ目32/小ネタ 抱き枕の代わりに:33スレ目76 日常系:桐,京 100000:33スレ目91 桐乃スレメタネタ系:桐,あ,加 黒猫姉妹がやってきた夜:33スレ目143 ※地震に係わるお話 日常系:桐,京,黒,日,珠 字幕投影装置:33スレ目175 日常系:桐,京 KKK会報より:33スレ目258 おやすみのまほう:33スレ目271 ※子供時代 甘々系:桐,京,佳 くるっと回って一回転:33スレ目334/小ネタ もしもの未来のとある朝:33スレ目406 甘々系:桐,京 「きりりん流」節電のすすめ:33スレ目473-474 ※計画停電のお話 甘々系:桐,京 before/after:33スレ目491/小ネタ 近況報告:33スレ目492,494/のろけネタ集 5巻4章 親父視点:33スレ目530 原作補完系:京,大 愛しい日々よ_RE:33スレ目557 28スレ目318リテイク 8巻想像もの 長編:桐,京,佳,黒,沙,あ 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」劇場版:33スレ目591 3巻 第4章 桐乃視点:33スレ目603-604 切ない系:桐,京 逃げて!:33スレ目605,606,610/:33スレ目603-604ネタ 5巻4章 親父視点あふたー:33スレ目612 33スレ目530後日談 原作補完系:大,佳 つながるキモチ:33スレ目633 甘々系:桐,京,他 計画停電の休日:33スレ目661 ※計画停電のお話 日常系:桐,京 3人4脚:33スレ目668/小ネタ 痩せすぎ注意:33スレ目669/小ネタ シスコンでしょうか:33スレ目693/小ネタ 白い日:33スレ目698 微甘系:桐,京 兄貴ぃぃいいいわぁあああああああん!! ver.2 33スレ目718/小ネタ 銀のリングに想いをのせて:33スレ目759/ホワイトデーネタ 甘々系:桐,京,オリ きりりんは妹である:33スレ目766/夏目漱石ネタ きりりんヤバイ:33スレ目773/地球ネタ その背に揺られて:33スレ目775 ※pixivのmoさんの絵から 甘々系:桐,京 最高の返答と最大の餞別:33スレ目781 甘々系 桐,京 3巻 第3章 クリスマスデートアフター 桐乃視点:33スレ目785 切ない系:桐 はじめては京介に…:33スレ目793 勘違い系:桐,京,大 千葉住まいD・Kの苦悩:33スレ目805 日常系:大,オリ ホラー映画:820,821,822,823,824,825,826,837,838,839,840,841,842,843/小ネタ集 メルル毛布の届いた日:33スレ目877 せつない系:桐,京 兄妹水入らずの一夜:33スレ目897,898/小ネタ集 あの日のリアのベッド:33スレ目905,935 甘々系:桐,京 兄妹イチャつく所にあやせあり:33スレ目927/小ネタ ※pixivのマロミさんの絵から 妄想8巻後 黒猫視点:33スレ目946 せつない系:黒,珠 …あ、あのさ…ちゃんとや34くしてよね:33スレ目950,951,956/スレタイネタ 34スレ目 早い者勝ち:34スレ目36/小ネタ 瀬菜ちー改造計画:34スレ目37,38,39,40,41,42,43,45,47,180/小ネタ集 挿絵付き あやせのおかげ?:34スレ目58 勘違い系:桐,京,あ 一緒に…:34スレ目79 ※地震に係わるお話 日常系:桐,京,大,佳,オリ 反転銃:34スレ目83-84 日常系:桐,京 やっと一緒になれるねっ!:34スレ目112,113,114,115,116,125,265 ※あやせたんマジあやせ 挿絵付き あやせ系:大,あ 進路相談:34スレ目133 日常系:桐,オリ Ich liebe dich:34スレ目138,143 日常系:桐,京 夢と現実と…:34スレ目209,212,213 微エロ系:桐,京 これあげる:34スレ目287-289 切ない系:桐,京 二つ合わされば:34スレ目297/いいか、みんなネタ エンジェル係数:34スレ目321,322,326/俺妹Pネタ集 キリモン:34スレ目324,329,336/ゲットだぜ!ネタ集 あたし:34スレ目345 ※子供時代 甘々系:桐 簡単なお仕事 :34スレ目350 甘々系:桐,京,フェ 恋愛の神様:34スレ目352 甘々系:桐 マジエロ親父www:34スレ目392,395,396,405,409/BD5巻パケ絵ネタ集 かけっこ:34スレ目418 切ない系:桐,佳 図書館、行く?:34スレ目432,447,449,458-460/34スレ432ネタ集 日常系:桐,京 未来の為に:34スレ目436 シス婚系:桐 ろりりんとちび介のアニメ前口上:34スレ目472 ※子供化 アニメ予告 甘々系:桐,京 メルルぅぅうううわぁあああああん!!!:34スレ目516,519,545,549,550,551/小ネタ集 挿絵付き ろりりんとちび介の13話キャラコメっぽい話:34スレ目558 ※子供化 アニメ感想系:桐,京 俺の妹がこんなに可愛いすぎて寝れない:34スレ目584-585 甘々系:桐,京 土手を歩く:34スレ目588 切ない系;桐,京 「よ、久しぶり」:34スレ目761 原作補完系:京 初恋:34スレ目776 切ない系:桐 対偶:34スレ目823 変態系:桐,京 DVでしょうか:34スレ目865/ACネタ 素人にはお勧めしない:34スレ目885,890,912/小ネタ集 体系図:34スレ目924/派閥ネタ(ジョーク) とある未来の深夜にあったそんな出来事:34スレ目935-936 甘々系:桐,京 同人誌:34スレ目964 変態系:桐,京,沙 35スレ目 エイプリル・フール:35スレ目38 甘々系:桐,京 ウソカマコトカ:35スレ目44 甘々系:桐,京 4がつばか:35スレ目62 甘々系:桐,京 エイプリルフール~高坂京介の逆襲~:35スレ目70-73,181 挿絵付き 甘々系:桐,京 二つの想い:35スレ目112 勘違い系:桐,京,あ 人生で一度は京介に言われたい台詞:35スレ目121/小ネタ 春の陽気に誘われて:35スレ目131,135,137/小ネタ集 ※G s magazineネタ 雫先輩の相談室~正しい兄妹のあり方とは~:35スレ目153-154,155/小ネタ集 ※死神の接吻ネタ 麦茶△:35スレ目162/小ネタ お花見話:35スレ目169-170 酔いデレ系:桐,京,黒,沙 キリリンニュース~人生で一度は「桐乃から言われたい」セリフ~:35スレ目215,218/小ネタ集 霊能者キリリン・デュボア:35スレ目226-227 日常系:桐,京 シスコンナチーマー:35スレ目252,253,254,255/小ネタ集 告白:35スレ目258 ※35スレ121,215ネタ 甘々系:桐,京 この先への決意:35スレ目272 ※pixiv pastryfuntubeさんの絵から 切ない系:桐,黒,日,珠 親子の絆は見返りを求めない!:35スレ目277,278,279/小ネタ集 ※超昂兄貴京介さんネタ 眠り姫(?):35スレ目307 ※35スレ296ネタ 甘々系:桐,京 逆だったら:35スレ目331,337/小ネタ集 ※瀬ハアッー!レスネタ:桐,京 大介ぇぇうううわぁあああああん!!:35スレ目342/小ネタ ※親父萌えネタ 妹は兄貴が愛しすぎてついちゅっちゅしちゃうの:35スレ目357-360 甘々系:桐,京 飛び入り王子様:35スレ目373 ※35スレ296ネタ 子供時代 甘々系:桐,京,佳 う な じ:35スレ目384 ※35スレ381ネタ 微クンカ系:桐,京 × LOSE ○ LOVE:35スレ目393/小ネタ 頼っても、いいよ:35スレ目396 ※35スレ384ネタ 日常系:桐,京 天使VS堕天使:35スレ目400 日常系 長編:京,黒,沙,あ 桐乃湯のすゝめ:35スレ目430,436,453/小ネタ集 朝と早起きと妹と:35スレ目512 日常系:桐,京,佳,麻 ストラップなお話:35スレ目533 日常系:桐,京,麻,沙,浩 リアルアフレコ:35スレ目586/小ネタ ようこそ桐乃湯へ:35スレ目598 甘々系:桐,京 欲しいものは……?:35スレ目673 甘々系:桐,京 桐乃きせかえサービス:35スレ目591,597/小ネタ集 ろりりんとちび介の原作8巻粗筋キャラコメっぽい話:35スレ目932 ※子供化 メタネタ系:桐,京 36スレ目 あ、あたしだけを36ッ!:36スレ目75-78 ※スレタイネタ 日常系:桐,京 水着の裏話:36スレ目98,99,100,102,103,105/小ネタ集 ※36スレ75-78ネタ たったひとつの冴えたやりかた:36スレ目104/小ネタ ※Twitterネタ 7巻ラストif 解呪:36スレ目294-296 ※IF 切ない系:桐,京 あめふり:36スレ目326 ※子供時代 日常系:桐,京,黒,珠 離さないで:36スレ目340-344 微甘系:桐,京 まさかの佳乃萌え:36スレ目423/小ネタ ※とらドラネタ KKK会報 第2号より:36スレ目490 妹姫:36スレ目527 変態系:桐,京,あ こたつと薄桃色とあたし:36スレ目553-555,557,558 変態系:桐,京,佳 ダブルデート:36スレ目573,578-580 甘々系:桐,京,浩,瀬 怪談・高坂兄パン屋敷:36スレ目582,583,584,585/小ネタ集 儀典:黒の預言書『真実の吐露』:36スレ目600 切ない系:桐,京,黒 貴様等、そこに並んで正座しろ!:36スレ目632,646,647/小ネタ集 ※あらすじネタ ○○上戸:36スレ目631,637,648/小ネタ集 ※お花見 駐在所の日常:36スレ目654/小ネタ 嬉しい怒り上戸:36スレ目665 酔いデレ系:桐,京 優しさは雨の日に傘と1クリックに乗せて:36スレ目734 日常系:桐,京,麻 ペロリストどもめ!:36スレ目792,794,796,797,799,801,802,803/小ネタ集 願いのミサンガ:36スレ目811 甘々系:桐,京 昨日、何してた?:36スレ目818-819 あやせ系:桐,あ,加 そのミサンガに想いをこめて:36スレ目830-831 甘々系:桐,京 まとめWiki消毒作戦:36スレ目926,928,930,931/小ネタ集 ※ヒャッハー!ネタ 水入らず:36スレ目933-934 甘々系:桐,京,オリ 37の想いが桐乃を創る:36スレ目940 ※次スレタイネタ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない!:36スレ目955-959 甘々系:桐,京 37の想いが桐乃を創る ver.2:36スレ目964 ※次スレタイネタ 37スレ目 他の娘を37いでよ:37スレ目9/小ネタ 8巻妄想物の続き 冒頭部:37スレ目18,21-22 ※続く? 日常系:桐,京,黒,沙 婚姻届:37スレ目47 勘違い系:桐,京,あ 呼び名で相性占い:37スレ目66 シスコンでしょうか ver.2:37スレ目71/小ネタ ※ACネタ 喧嘩とかばかじゃん?:37スレ目103/小ネタ ※スレの流れネタ 高坂桐乃 癖毛研究レポート(KKR):37スレ目116-119,121 ※pixiv スだちさんの絵リスペクト 日常系:桐,京 兄貴ときりりんのぶらり旅:37スレ目134,136-137,141-142,147,149 ※Photogenic 日常系:桐,京 カメラマン京介:37スレ目160,164/小ネタ集 ※Photogenicネタ 嘘じゃない:37スレ目183,185 日常系:桐,京,麻,オリ 治療薬:37スレ目189 スレメタ系:桐,京,大 キリリン☆エクスプローラー!:37スレ目232-233,237,244,247,248,284/小ネタ集 ※誤爆ネタ 言葉、少なくとも:37スレ目236 酔いデレ系:桐,京,黒,沙 こ う さ か き り の:37スレ目265/小ネタ こ う さ か き り の ver.2:37スレ目290/小ネタ 兄貴のボトムズ:37スレ目292-293/小ネタ ※AAネタ 告白の目撃と対策:37スレ目306,540 挿絵付き 日常系:桐,京,麻,あ 土の中にいる!:37スレ目333,334,339/小ネタ集 ※あやせたんマジ猟奇 隠れファンクラブ:37スレ目344,345,346,348/小ネタ集 高坂桐乃ファンクラブ AナンバーAA:37スレ目347/小ネタ ※本当は怖いAA 会員No.1:37スレ目395 日常系:桐,京 ウキヨノスキにケリ:37スレ目396/小ネタ ※AAネタ こ う さ か き よ う す け:37スレ目401/小ネタ こ う さ か だ い す け:37スレ目475/小ネタ 3D?カスタム?妹:37スレ目518 ファッションショー:37スレ目626,630 日常系:桐,京,あ 恋愛の神様・正式版:37スレ目694 甘々系:桐,京 こ う さ か よ し の:37スレ目716/小ネタ 解けない糸:37スレ目741,836/小ネタ 挿絵付き 椅子取りゲーム:37スレ目756 糸の先にいる人は:37スレ目760-761 夢オチ系:桐,京,オリ 運命の相手:37スレ目773-774 甘々系:桐,京,オリ 赤い糸:37スレ目788 日常系:桐,京 赤い糸:37スレ目804 日常系:桐,京,大,佳 運命の誓い:37スレ目835 微甘系:桐,京 男の友情:37スレ目872 勘違い系:桐,京,浩 スレタイSS:37スレ目963 ※次スレタイネタ 日常系:京 38スレ目 プレゼントの渡る先:38スレ目14 切ない系:京 その言葉(おもい)は海を越えて:38スレ目42-43 ※38スレ14桐乃視点 切ない系:桐 デートde千葉あるき:38スレ目22,47-48,49,518,520 ※38スレ22ネタ集 その後の誕生日:38スレ目178 ※38スレ14,42-43続編 甘々系:桐,京,黒,あ 黒猫聖誕祭:38スレ目207 挿絵付き 日常系:桐,京,黒,沙 とある一夜の―:38スレ目282,288 ※前日譚っぽいネタ集 日常系:桐,京 無題:38スレ目312 甘々系:桐,京,オリ 親父の想い:38スレ目341 ※38スレ312ネタ 幸せ系:桐,京,佳 一生の人生相談相手:38スレ目417 微甘系:桐,京 シスコン変態バカ兄貴:38スレ目421 変態系:桐,京 専属マネージャー:38スレ目436-437 甘々系:桐,京,大 KKK会報 聖典8巻光臨直前特集より:38スレ目466 はじまり:38スレ目480 原作補完系:桐 アニパンツ:38スレ目487,489,492,494,496,497,498/小ネタ集 ※ニコニュースネタ 漫才:38スレ目506 5巻 4章 桐乃視点:38スレ目530-531 切ない系:桐 桐乃ちょれー:38スレ目563 あやせ系:桐,あ,加 メガネ特集:38スレ目622 日常系:桐,京,佳 ろりりんとちび介の14話キャラコメっぽい話:38スレ目805 ※子供化 アニメ感想系:桐,京 39回目の抱擁:38スレ目960,963 ※次スレタイネタ スレメタ系:桐,京 39スレ目 そんなある日の家での出来事:39スレ目76-77 日常系:桐,京 パンチラ:39スレ目93 変態系:桐,京 きりりん成仏:39スレ目109/小ネタ ※38スレ29ネタ集 忘れられた過去・兄妹の想い:39スレ目313-316 ※過去話 日常系:桐,京,佳 変態対決:39スレ目343 変態系:桐,京,あ 難儀な兄妹:39スレ目536,545/小ネタ集 ウェディングの楽しみ方:39スレ目542 とある2ちゃんのやりとり:39スレ目549 ※メルちゃんLOVE 日常系:桐,京 妹コン度チェック:39スレ目563,564/小ネタ集 欲しいものは:39スレ目582 ※未完 日常系:桐,京,麻,浩 俺の妹がこんなに腐女子なわけがない:39スレ目585-602,612-613/小ネタ集 ※カオスなアッー!! The きりのワイン:39スレ目674 風邪:39スレ目688 日常系:桐,京 ある日の休日 沙織視点:39スレ目700-702 日常系:桐,京,黒,沙 高坂桐乃の憂鬱:39スレ目752,754,756,764-765/小ネタ集 ※ループネタ 萌え家電:39スレ目773,774,781,782,783,784,809/小ネタ集 もしももしも:39スレ目804/小ネタ Siscon 4.0:39スレ目810 日常系:桐,京 安価で行動:39スレ目827/小ネタ キーリネーター:39スレ目840,842 ※…ネタ元合ってる? ナレーション系 次スレタイなお話:39スレ目953 ※次スレタイネタ 甘々系:桐,京 40スレ目 夢か現か:40スレ目39-41 ※過去話 日常系:桐,京 脳波で猫耳:40スレ目306,341/小ネタ集 キービィDX:40スレ目311 微甘系:桐,京,大 兄パン:40スレ目331 変態系:桐,京 ばかじゃん:40スレ目390,391,392,393,394,395,396/小ネタ集 休みの日:40スレ目402-403 ※未来空想 甘々系:桐,京,オリ 一人暮らし?:40スレ目412 日常系:桐,京 そんなかみの話:40スレ目619 日常系:桐,京,佳 肌色:40スレ目794-795/小ネタ集 デートプラン:40スレ目926/小ネタ 次スレでSS No.41 ある夜のきりりん:40スレ目968 ※次スレタイネタ 微クンカ系:桐,京
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1045.html
367 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/08/23(火) 21 19 06.68 ID oPsrjdFqP [7/9] 「んん……?」 腕に軽い痺れと重みを感じて、俺は目を覚ました。 目を開けた部屋は暗い。まだ夜は明けてないようで、差し込む光もなかった。 時計を見てみれば深夜の3時。こんな時間なら辺りが暗くて当たり前か。 さて、こんな深夜にさっきから俺の右腕に痺れと重みを与える元凶はなんなんだろうね。まあ、予想はついてんだけど。 そう思って首をめぐらせて見れば、その原因はいともあっさりと見つかった。 (やっぱりか) それは、いつの間に忍び込んだのか、このクソ暑いのに俺の腕を枕にして眠る桐乃だった。 スースーと眠る桐乃は可愛いことこの上ないが、少しばかり恨みがましく思えるのはこの腕の痺れのせいか。 (ここのところ毎晩じゃねえか。こいつ、俺が気付いてないと思ってるんだろうが、一体何のつもりなんだ?) 今俺を枕にして寝ている桐乃だが、朝起きる時間になればいつの間にかいなくなっているのが常だ。 ま、俺より早く起きてベッドから抜け出せばいいわけだし、それほど難しいことじゃねえか。 だからこそ俺に気付かれて無いと思ってるんだろうが。まさか俺が夜中に目を覚ましてるなんて考えもしてねえんだろうな。 とはいえ、こうも何度も忍び込まれると一体どういうつもり何だと勘ぐりたくなってしまうんだよなあ。 そう、桐乃がこうして俺の寝床に忍び込むのは初めてじゃなかった。 これがいつからかといわれれば、恐らく、あの『簡単なお仕事』をやってからだろうと思う。 俺たちが本当の兄妹でないことがわかって、それを桐乃に話したその晩、桐乃は俺の部屋に押しかけてきた。 俺がこの家から出て行くんじゃないかと、そんなありもしない不安を抱えて。 そして桐乃は言いやがったのだ。俺が家を出ていかないことを証明したいなら、その晩だけ一緒に寝ろと。 なんともムチャクチャな言い分だ。でもそれを俺は断ることができなかった。 だってしかたねえだろ? 俺に縋りつくように、不安で顔を曇らせた桐乃をどうして放って置けるってんだ。 色々問題はあったはずなのだが、結局その晩は一緒に寝た。 桐乃のやつは『一緒のベッドに入って、ぎゅっとして寝るだけの簡単なお仕事』なんて言ってやがったけど 全然そんなことなかったね! あんなものが簡単な仕事であってたまるか! ぎゅっとすれば当然、体の色々なところが密着する。桐乃の柔らかさとかそんな感じのものが色々とわかってしまうわけで。 ただでさえ桐乃のことを意識してたのにアレはない。ありえん。あれで寝れるやつはバカか何かを悟ってるに違いない。 その日は安心しきったように眠る桐乃とは裏腹に、俺は悶々として朝方まで眠れず翌日はとんでもない寝不足になってしまった。 まあ、そんなことがあったわけだ。 だけどあの時、桐乃は確かに言ったはずなんだがな。『今晩だけ』ってさ。 なのになんでこんなことをするんだろうか。 ああして一緒に寝たことで俺が出て行かないっていう証明はできたはずなんだけど。 もしかしてまだ安心しきれてないとか? 俺ってどこまで信用ないんだよ。ったく……まあいいか。 この行為が、桐乃が俺を必要としてくれてるって思えば悪いもんじゃない。 何度もされてるうちに慣れてきたのもあるしな。 「んん……きょう…すけ……」 ドキン ……ああ、そういえばそんな問題もあったっけ。 何でかなあ。何で俺は桐乃に名前を呼ばれただけでこうもドキドキしちまうのかね。 『兄妹じゃないから』 桐乃はそういう理由で、俺を兄貴と呼ぶことをやめた。代わりに俺を京介と呼ぶようになった。 それがどういった意味を持つのか。 確かに俺たちは血の繋がってない赤の他人だと言ってもいいが、それでこれまで兄妹として過ごしてきた日々がなくなるわけじゃない。 実際、俺は今でも桐乃を妹だと思ってる。血の繋がりなんて関係なしに。――他人だと意識してる部分も確かにあるけどな。 桐乃はそうは思ってくれてないんだろうか。だとすれば寂しいことだが、しかたないって気持ちもある。 もともと兄貴として扱われてるかあやしかったしな! ……言ってて泣きたくなってきたわ。 ただ、桐乃が俺の名前を呼ぶ。それだけのことが俺の胸を高鳴らせる。鼓動を早くする。 この気持ちがどういったものなのか、俺にはよくわからない。 でもその事実があるのはたしかなんだよな。 そっと、俺の腕を枕にして寝てる桐乃の顔を見る。 その無防備な顔は、いつもの喧々とした物とは違って少しだけ幼く見えた。 高坂桐乃。俺の妹で、家族で、そして、血の繋がらない女の子。 開いた手でその頭をそっと撫でた。 「んぅ……」 元々掴んでいたんだろう。胸元のシャツがクッと引っ張られた。 くすぐったそうにぐずる姿に苦笑が漏れる。 難しいことを考えるのはやめるか。 血が繋がらないってわかって、そのせいでぎこちなくなった俺たち(主に俺だけど)。 それでも、桐乃は傍にいてくれる。これまで通りに。 不安な気持ちを持ったまま、俺に歩み寄ってくれた。心配してくれた。 あの時はそのことに混乱したが、今はそれがすごく嬉しいことだと思えた。 「ありがとな。桐乃」 普段はいえない言葉を、今は素直に言うことができた。 聞かれてないとはいえ、少し照れくさい。 さてと、そろそろ寝なおすか。 桐乃に引っ付かれて暑いことは暑いが寝れないほどじゃない。 それに、桐乃の体温は――心地いい。これならまたすぐにでも眠れるだろ。 頭を撫でていた手を戻して目をつむる。 部屋を満たす暑さと、傍に感じる心地よい温かさ。そんな二つの熱に包まれて、俺はもう一度眠りについた。 それからしばらくたって、桐乃と二人で出かけた海岸で、 桐乃からの思わぬ告白を受けること、そして自分の気持ちを知ることになるのを、この時の俺は知るよしもなかった。 -END- ----------